ホームページの問題に見えて、実は「事業そのもの」の整理が必要なことがあります。
「ホームページを新しくすれば、もっと問い合わせが増えるのではないか」
「デザインを変えれば、サービスの良さが伝わるのではないか」
そう考えて、ホームページの制作やリニューアルを検討することがあります。
もちろん、ホームページそのものに問題がある場合もあります。
古くて見づらい。
スマートフォンで使いにくい。
必要な情報が見つからない。
問い合わせまでの導線がわかりにくい。
こうした問題であれば、ホームページを改善することで解決できる可能性があります。
しかし、
ホームページだけを変えても、解決しない問題もあります。
たとえば、
「自分の事業の強みがうまく説明できない」
「誰に向けたサービスなのかが曖昧」
「サービスが増えて、何を中心にすればよいかわからない」
「事業の方向性が以前と変わってきた」
という場合です。
これは、ホームページ制作の問題というより、事業そのものを整理し直す必要がある状態かもしれません。
ケース1.自分の事業を一言で説明できない
「どんな事業をしているのですか?」と聞かれたとき、サービスの内容はいくつも説明できる。
しかし、
「結局、何を提供している事業なのか」を短く説明するのが難しい。
このような場合、
ホームページの文章だけを考えても、なかなかまとまりません。
トップページに何を書くか。
どのサービスを中心に見せるか。
何を強みとして打ち出すか。
その判断基準となる事業の軸が、まだ十分に整理されていないからです。
まず必要なのは、
ホームページのキャッチコピーを考えることではありません。
誰に、どんな価値を届ける事業なのかを明確にすることです。
ケース2.強みを聞かれても、一般的な言葉しか出てこない
「自社の強みは何ですか?」と聞かれて、
「経験があります」「丁寧に対応します」「品質には自信があります」という言葉は出てくる。
しかし、
「なぜ他ではなく、自分を選ぶのか」となると答えにくい。
この状態でホームページをつくると、
どうしても他のサイトと似た表現になりやすくなります。
強みについて重要なのは、特徴そのものではありません。
その特徴によって、顧客にどんな価値を生み出せるのかです。
経験があるから、何ができるのか。
専門性があるから、顧客に何が起こるのか。
丁寧に話を聞くことで、どんな問題を解決できるのか。
そこまで整理できると、ホームページで伝える内容も変わります。
ケース3.「誰に届けたいのか」が曖昧
ホームページをつくるとき、「できるだけ幅広い人に来てほしい」と考えることがあります。
しかし、誰にでも届けようとすると、
使う言葉も、サービスの見せ方も、伝える価値も、曖昧になりやすくなります。
「個人にも法人にも対応」
「幅広いニーズに対応」
「さまざまなお悩みを解決」
という表現が増えるほど、
顧客からは、
「自分のためのサービスなのか」が見えにくくなることがあります。
ホームページをつくる前に、まず誰に最も価値を届けたいのかを明確にする必要があります。
これは単なるホームページのターゲット設定ではありません。
事業として、誰を大切な顧客とするのかという戦略の問題です。
ケース4.サービスが増えすぎて、何を中心にすればよいかわからない
事業を続けていると、できることが増えていきます。
顧客から頼まれて、新しいサービスが生まれる。
経験が増えて、対応できる範囲も広がる。
それ自体は、事業が成長してきた結果でもあります。
しかし、
サービスが増えすぎると、
ホームページを見た顧客からは、
「結局、この人は何が一番得意なのか」が見えにくくなることがあります。
この場合、
必要なのはページを増やすことではありません。
まず、
どの顧客に。
どのサービスで。
どんな価値を届けることを中心にするのか。
を決めることです。
すべてを同じ強さで見せるのではなく、事業として何を中心にするのかを選ぶ。
その戦略が決まってから、ホームページの構成を考えルべきです。
ケース5.事業そのものが変わってきている
開業した当初と、数年後の事業が同じとは限りません。
経験が増えた。
得意な顧客が見えてきた。
提供したい価値が変わった。
今後進みたい方向も変わった。
しかし、
ホームページだけが昔の事業を表したままになっている。
そんなことがあります。
この場合、
単に文章や写真を差し替えるだけでは十分ではありません。
今の自分は、どんな事業をつくろうとしているのか
をあらためて考える必要があります。
これまで何をしてきたのか。
今、どんな強みがあるのか。
これから、誰にどんな価値を届けたいのか。
どんな事業を目指したいのか。
そこを整理してから、今の事業に合ったホームページへつくり直す。
これは単なるリニューアルではなく、事業そのものを再設計する機会になります。
ホームページ制作で解決できる問題と、できない問題
重要なのは、何が問題なのかを見極めることです。
たとえば、
情報が見つけにくい。
問い合わせしづらい。
スマートフォンで見づらい。
デザインが事業のイメージと合っていない。
といった問題であれば、ホームページの改善が有効です。
一方で、
誰に届けるのかが曖昧。
提供価値が曖昧。
強みが言葉になっていない。
選ばれる理由が明確でない。
事業の方向性が定まっていない。
という場合には、ホームページ制作の前に、事業の本質と戦略を整理する必要があります。
ホームページをつくる前に確認したい5つの問い
ホームページ制作やリニューアルを検討しているなら、一度、次の問いを考えてみてください。
1.最も価値を届けたい顧客は誰か
「誰でも」ではなく、
まず誰を大切な顧客とするのか。
2.その顧客に、どんな価値を届けたいのか
サービス内容ではなく、
その結果、顧客にどんな変化が生まれるのか。
3.なぜ自分だから、その価値を提供できるのか
経験、専門性、強み、考え方、、、
それらが、顧客価値にどうつながっているのか。
4.なぜ、顧客は自分を選ぶのか
競合との違いだけではなく、
顧客にとっての選ぶ理由が明確でしょうか。
5.これから、どんな事業にしたいのか
今の商品を売ることだけではなく、
事業としてどこを目指すのか。
この5つが曖昧なら、ホームページをつくる前に、一度事業を整理する価値があります。
ホームページの前に、事業を整える
ホームページは、事業とは別につくるものではありません。
事業の本質が明確になり、
戦略が定まり、
その結果として、
何を伝えるのか。
誰に伝えるのか。
どんな順番で伝えるのか。
どんなデザインにするのか。
が決まります。
だから、
ホームページの問題に見えたときほど、一度、その手前を見てみる。
事業の本質は明確か。
戦略は定まっているか。
そこが整っていれば、ホームページもずっと設計しやすくなります。
逆に、そこが曖昧なままホームページだけをつくり直しても、同じ迷いを、新しいホームページへ持ち込んでしまうかもしれません。
ホームページを変える前に、事業を整える。
それが必要なケースもあると、私は考えています。
事業の本質から、ホームページまで一貫して設計する
Strategic Business Designでは、いきなりホームページ制作から始めません。
まず、
- 顧客
- 提供価値
- 強み
- ビジョン
を整理し、事業の本質を明らかにします。
その本質をもとに、
- 誰に
- どんな価値で
- なぜ選ばれるのか
を戦略として設計します。
そして、その戦略を、
- 言葉
- サービス
- ページ構成
- 導線
- デザイン
へとつなげ、ホームページとして実装します。
事業の本質を、戦略へ
戦略をホームページへ
それが
Strategic Business Designです。

