顧客・価値・強みを、ひとつの意味としてつなげる
「あなたの事業は、誰に、何を提供していますか?」
事業について考えるとき、よく聞かれる質問です。
誰が顧客なのか。
何を提供しているのか。
自分の強みは何なのか。
もちろん、どれも重要です。しかし、それぞれについて答えられたとしても、
「では、この事業は結局、何を大切にしているのか」が見えないことがあります。
私は、そこに「事業の本質」を考える意味があると思っています。
事業の本質とは、いくつかの項目を埋めることではありません。
顧客、価値、強み、目指す方向がつながり、
「だから、この事業をやる」という一本の軸になった状態。
それが、私の考える「事業の本質」です。
「誰に」を決めるだけでは、顧客は見えてこない
たとえば、
- 「40代の女性」
- 「中小企業の経営者」
- 「地域の個人事業主」
といったターゲット設定があります。これは入口としては必要です。
しかし、それだけでは、その人が本当に何を求めているのかまではわかりません。
同じ40代女性でも、仕事に悩んでいる人。健康に悩んでいる人。将来に不安を感じている人。では、求めているものはまったく違います。
大切なのは、
- 誰なのかだけではなく、その人が今どんな状況にいるのか
- 何に困っているのか、なぜそれに困っているのか
- 何を変えたいと思っているのか
- その先で、どんな状態になりたいのか
そこまで見えて、初めて「顧客」が具体的になります。
ターゲットを決めることと、顧客を理解することは同じではありません。
「何を提供するか」と「どんな価値を届けるか」は違う
次に考えるのが、商品やサービスです。
「ホームページを作ります」
「コンサルティングをします」
「トレーニングを提供します」
これは、提供する“もの”を説明しています。
しかし、顧客が本当に欲しいのは、そのサービスそのものではありません。
- ホームページが欲しいのではなく、自分の事業の価値を、必要な人にきちんと伝えたい
- コンサルティングを受けたいのではなく、迷っていることを整理し、判断できるようになりたい
- トレーニングを受けたいのではなく、今よりできるようになりたい
商品やサービスの先には、顧客が求めている「変化」があります。
だからこそ、「何を提供するのか」だけではなく、
「その結果、顧客に何が生まれるのか」まで考える必要があります。
そこに、提供価値があります。
「強み」も、それだけでは意味を持たない
経験が長い。
専門性が高い。
対応が丁寧。
技術力がある。
こうしたものは、その人や事業が持っている大切な特徴です。
しかし、それが顧客にとってどのような価値になるのかまでつながらなければ、「選ばれる理由」にはなりません。
たとえば、「30年の経験がある」ということ自体ではなく、
- その経験があるから、複雑な状況の中から重要なポイントを見極められる
- 多くの成功や失敗を見てきたからこそ、実行できる方法を考えられる
そこまで掘り下げることで、初めて顧客にとっての意味が見えてきます。
つまり、
強みは、自分が持っているものを並べるだけではなく、それが顧客への価値につながったときに意味を持つ。
ということです。
事業の強みについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
大切なのは、それぞれを「つなげる」こと
ここまで、顧客.提供価値.強み.について考えてきました。
しかし、最も重要なのは、それぞれを別々に整理して終わらせないことです。
たとえば、
- 顧客は「小規模事業者」
- 提供価値は「成果につながる支援」
- 強みは「30年の経験」
と整理したとしても、その3つがなぜつながるのかがわからなければ、事業の姿はまだ明確ではありません。
重要なのは、
- なぜ、その顧客なのか
- その顧客にとって、本当に重要な価値は何なのか
- なぜ自分だから、その価値を提供できるのか
というつながりです。
それぞれの答えが一本のストーリーとしてつながったとき、
「この事業は何のために存在するのか」
という輪郭が、はっきりしてきます。
事業の本質は「答え」ではなく「軸」
事業の本質を「きれいな一文を作ること」だとは考えていません。もちろん、最終的には言葉にします。
しかし、その目的は、キャッチコピーを作ることではありません。
本当の目的は、
事業の判断基準をつくること
です。
たとえば、
- 新しいサービスを始めるべきか
- どんな顧客を大切にするのか
- 何をやらないのか
- 価格をどう考えるのか
- ホームページで何を強く伝えるのか
こうした判断をするとき、事業の本質が明確であれば、「自分たちは、何を大切にする事業なのか」という軸に照らして考えることができます。
反対に、その軸が曖昧だと、「流行しているから」「競合がやっているから」「頼まれたから」「なんとなく売れそうだから」という理由で、事業の方向が少しずつブレていきます。
ビジョンも、事業の本質の一部
そして、もう一つ大切なのが、
「この事業の目指すべき姿は」
という視点です。
今の顧客.今の商品.今の強み.だけを見ていると、事業は現在の延長線上でしか考えられません。
しかし、事業には未来があります。
- どんな顧客に価値を届けていきたいのか
- どんな存在として選ばれたいのか
- どんな事業に育てていきたいのか
この方向性があるからこそ、今何をやるべきなのか、何をやらないのかを判断できます。
だから私は、
顧客、価値、強みだけではなく、ビジョン(目指す姿)まで含めて事業の本質を考える
ことが重要だと思っています。
事業の本質が明確になると、戦略が見えてくる
事業の本質が定まると、次に考える「戦略」も変わります。
戦略とは、単に施策を考えることではありません。
広告を出す.SNSを始める.ホームページをリニューアルする.これらは施策です。
その前に、
- どこを目指すのか
- 誰に価値を届けるのか
- どのような価値で選ばれるのか
- 何をやり、何をやらないのか
を決める必要があります。
つまり、戦略を考えるためにも、その土台となる事業の本質が必要です。
本質があるから、戦略が成立する。
私はそう考えています。
事業の本質を考える4つの問い
では、自分の事業について考えるとき、何から始めればよいのでしょうか。
まず、次の4つを問いかけてみてください。
- 誰に価値を届けたいのか
その人は今、どんな状況にいるのか。何に悩み、何を変えたいと思っているのか。単なる属性ではなく、その人の置かれている状況まで考えます。 - その人に、どんな価値を届けたいのか
商品やサービスそのものではありません。それを受けることで、顧客にどんな変化が生まれるのかを考えます。 - なぜ、自分だからそれを提供できるのか
これまでの経験.専門性.考え方.仕事の進め方.自分が持っているものが、どのように顧客価値につながっているのかを考えます。 - この事業は、どのような状態を目指すのか
これから、誰にどんな価値を届けたいのか.どんな存在として選ばれたいのか.どんな事業にしていきたいのか.未来から現在を見ることで、今やるべきことも変わってきます。
そして大切なのは、この4つを別々に考えて終わらせないことです。
それぞれが、どうつながっているのか。そこまで考えることで、事業の本質が見えてきます。
事業の本質とは、「自分たちは何者か」を明確にすること
事業の本質というと、少し難しく聞こえるかもしれません。しかし、私が考えていることはシンプルです。
自分たちは、誰のために、何を実現する事業なのか。
そして、なぜ自分たちだから、それを実現できるのか。
さらに、その事業はどこを目指すのか。
これらが一本につながったとき、事業の軸ができます。
その軸があれば、戦略も.サービスも.発信も.ホームページも.同じ方向を向かせることができます。
逆に、ここが曖昧なままでは、どれだけ施策を増やしても、判断はブレやすくなります。
だからこそ、
戦略を考える前に。ホームページを作る前に。
まず、事業の本質を明らかにする。
それが、事業を設計する最初の一歩だと考えています。
ホームページを作る前に、なぜ事業そのものを整理する必要があるのかについては、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。
事業の本質から、戦略、ホームページへ
Strategic Business Designでは、
顧客、提供価値、強み、ビジョンを一つずつ掘り下げ、それらを「事業の本質」として言語化すること
から始めます。
そして、その本質をもとに、
事業の本質
戦略
顧客接点
ホームページ
へと、一貫して設計していきます。
ホームページを作ることだけが目的ではありません。
事業の本質を、戦略へ。
戦略を、ホームページへ。
それが、Strategic Business Designです。

