見た目を変える前に、事業と戦略を見直す
「ホームページをリニューアルしたのに、思ったほど問い合わせが増えない」
「デザインはきれいになったのに、事業の良さが伝わっている気がしない」
「以前より見やすくなったはずなのに、成果につながらない」
そんなことがあります。
ホームページが古くなれば、
デザインを変える。
写真を入れ替える。
文章を書き直す。
スマートフォンでも見やすくする。
といったリニューアルを考えるのは自然なことです。
もちろん、こうした改善が必要なケースもあります。
しかし私は、
ホームページの成果が出ない原因が、ホームページそのものにあるとは限らない
と考えています。
なぜなら、
ホームページは、事業そのものを顧客に伝えるための接点だからです。
事業の価値が曖昧であれば、その曖昧さはホームページにも表れます。
戦略が曖昧であれば、ホームページで何を強く伝えるべきかも定まりません。
つまり、
ホームページだけを変えても、その手前にある事業や戦略が変わっていなければ、成果も大きく変わらないことがあります。
今回は、ホームページをリニューアルしても成果につながらない理由を、3つに整理して考えてみます。
理由1.そもそも「何を伝える事業なのか」が明確になっていない
ホームページをつくるとき、
サービス
料金
プロフィール
実績
お客様の声
会社概要
など、掲載する情報を考えます。
もちろん、どれも必要な情報です。
しかし、
これらをきれいに並べるだけでは、事業の価値が伝わるとは限りません。
その前に必要なのは、
「この事業は、誰に、どんな価値を届ける事業なのか」
が明確になっていることです。
たとえば、
「丁寧に対応します」
「高品質なサービスを提供します」
「お客様に寄り添います」
という言葉があります。
決して悪い言葉ではありません。
しかし、多くの事業者が同じことを言っています。
これだけでは、
顧客から見て、「なぜ、この事業を選ぶのか」がわかりません。
ホームページの前に、事業の本質がある
ホームページで何を伝えるかを決めるには、
まず、
- 誰に価値を届けるのか
- その人は何に困っているのか
- どんな変化を求めているのか
- 自分はどんな価値を提供できるのか
- なぜ自分だから、その価値を提供できるのか
を整理する必要があります。
これが曖昧なままでは、
ホームページ制作の段階になって、
「トップページに何を書こう」
「強みは何にしよう」
「他社との差は何だろう」
と考えることになります。
しかし、
本来、これらはホームページをつくる段階で初めて考えることではありません。
事業そのものを考える段階で明確にしておくべきことです。
ホームページは、事業の本質を新しくつくってくれるものではありません。
むしろ、
すでにある事業の本質を、顧客に伝わる形にするものです。
事業の本質については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
理由2.戦略がホームページに反映されていない
事業の本質が明確になったら、次に必要なのが戦略です。
- 誰に価値を届けるのか
- どんな価値で選ばれるのか
- どの強みを活かすのか
- 何に力を集中するのか
- 何をやらないのか
こうした選択が明確になることで、
ホームページでも、何を強く伝えるべきなのかが決まります。
ところが、
実際には、事業戦略とホームページが別々に考えられていることがあります。
ホームページに全部載せればいいわけではない
自分の事業には、
多くの経験がある。
さまざまなサービスがある。
複数の強みがある。
多くの実績がある。
だから、それを全部ホームページに載せたくなる。
その気持ちは自然です。
しかし、
情報を増やすほど、価値が伝わるとは限りません。
むしろ、
あれも伝える。
これも伝える。
このサービスも見せる。
あの実績も載せる。
となるほど、
「結局、この事業は何で選ばれるのか」が見えにくくなることがあります。
戦略とは、選ぶことです。
ホームページでも同じです。
- 誰に最も届けたいのか
- 何を最も強く伝えるのか
- どのサービスを中心に見せるのか
- どんな価値で選ばれたいのか
- 何をあえて前面には出さないのか
こうした選択が必要です。
戦略があると、ホームページの優先順位が決まる
たとえば、「事業の価値をうまく言葉にできず、ホームページで何を伝えればよいか迷っている小規模事業者」を中心顧客とするとします。
そうであれば、
トップページで最初に伝えるべきことも、
サービスの説明の仕方も、
事例の見せ方も、
使う言葉も、
その顧客に合わせて考えることができます。
一方、
「誰でも歓迎」
「どんな課題にも対応」
「サービスもすべて同じように紹介」
となれば、
ホームページの焦点はぼやけていきます。
つまり、
戦略はホームページの外にあるものではありません。
戦略があるからこそ、
ホームページの中で、何を見せ、何を強く伝え、どこへ導くのかを決めることができます。
戦略とは何かについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
理由3.「伝えたいこと」中心で、顧客の視点になっていない
もう一つ、ホームページでよく起こるのが、
事業者が伝えたいことと、顧客が知りたいことがずれているという問題です。
事業者としては、
会社の歴史を伝えたい。
自分の経験を伝えたい。
サービスの特徴を説明したい。
技術力を伝えたい。
実績を見せたい。
当然、どれも伝えたい情報です。
しかし、
初めてホームページを訪れた顧客が最初に考えているのは、
「この会社の歴史は何年だろう」ではないかもしれません。
顧客がまず知りたいのは、
「ここは、自分の悩みを解決してくれそうか」ということです。
顧客は、自分に関係があるかを見ている
ホームページを訪れた人は、最初から事業者に強い関心を持っているとは限りません。
まず、
自分の悩みと関係があるか。
自分の状況を理解してくれそうか。
求めている価値がありそうか。
信頼できそうか。
を見ています。
そこで、いきなり、
「私たちは〇〇年創業で……」
「当社は〇〇という理念のもと……」
「私たちの強みは5つあります……」
と始まっても、
顧客が、「それが自分にどう関係するのか」を理解できなければ、読み進めてもらえないことがあります。
大切なのは、
顧客が知りたい順番に並べ替えることです。
ホームページは「情報を載せる場所」ではなく、理解をつくる場所
私は、ホームページを単なる情報の置き場だとは考えていません。
顧客がホームページを見ながら、「これは自分のことだ」と感じる。
「この人は、自分の悩みを理解している」と感じる。
「このサービスなら、こう変われそうだ」と理解する。
「なぜここを選ぶのか」に納得する。
そして、「一度相談してみよう」と思う。
そこまでの流れをつくるものです。
つまり、
ホームページに必要なのは、ページの数だけではありません。
顧客の理解が深まる順番です。
成果につながるホームページには「流れ」がある
たとえば、ホームページを訪れた顧客が、
最初に、
「自分が抱えている問題」を認識する。
次に、
「その問題がなぜ起きているのか」を理解する。
そして、
「どんな考え方で解決できるのか」を知る。
その上で、
「この事業なら、なぜそれを解決できるのか」を理解する。
最後に、
サービス内容や、相談方法を確認する。
こうした流れがあれば、
ホームページは単なる説明資料ではなく、
顧客が自分で納得しながら進んでいく顧客接点になります。
デザインを変えるだけでは解決しない
ここまでの3つを振り返ると、
ホームページの成果が出ない原因は、必ずしもデザインにあるわけではないことがわかります。
もちろん、
見にくい。スマートフォンで使いにくい。文字が小さい。表示が遅い。古い印象が強い。といった問題があれば、デザインや技術面の改善は必要です。
しかし、
いくらデザインを洗練させても、
誰に何を届ける事業なのかが曖昧。
何で選ばれるのかが曖昧。
顧客に何をどの順番で伝えるのかが曖昧。
であれば、
本質的な問題は残ったままです。
だから、
ホームページのリニューアルを考えるときには、
いきなり、色。写真。レイアウト。ページ数。から考えるのではなく、
その前に、
事業と戦略を見直すことが重要です。
リニューアルする前に確認したい3つのこと
ホームページをつくり直す前に、次の3つを確認してみてください。
1.「誰に、どんな価値を届ける事業なのか」を説明できるか
誰にでも、ではなく、
最も価値を届けたい顧客は誰か。
そして、
その人にどんな変化を届けるのか。
自分の言葉で説明できるでしょうか。
2.「なぜ自分が選ばれるのか」を説明できるか
経験がある。丁寧に対応する。品質が高い。だけではなく、
顧客にとって、なぜ自分を選ぶ意味があるのか。
が明確でしょうか。
選ばれる理由については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
3.顧客に何を、どんな順番で伝えるか決まっているか
自分が伝えたい順番ではなく、
顧客が、
知る
理解する
納得する
信頼する
行動する
という流れになっているでしょうか。
この3つが曖昧なままであれば、すぐにリニューアルへ進むより、その前に事業と戦略を整理する価値があります。
ホームページは、事業と戦略の「結果」としてつくる
ホームページを先に考えると、
どうしても、
「何ページつくるか」
「どんなデザインにするか」
「何を書くか」
という話から始まります。
しかし私は、
順番を逆にした方がよいと考えています。
まず、
誰に、どんな価値を届ける事業なのか。
次に、
どんな価値で選ばれるのか。
そして、
その価値を顧客にどう伝えるのか。
そこまで決まってから、
ホームページの構成やデザインを考える。
つまり、
事業の本質
戦略
顧客への伝え方
ホームページ
という順番です。
この順番で考えることで、
ホームページの一つひとつの要素に、「なぜ、これが必要なのか」という理由が生まれます。
ホームページを変える前に、事業を見る
ホームページをリニューアルすると、見た目は大きく変わります。
それだけに、「何かが変わった」という感覚も得やすいものです。
しかし、
事業の本質や戦略が曖昧なままであれば、新しいホームページにも、その曖昧さは引き継がれます。
だからこそ、
ホームページの成果が出ないときには、ホームページだけを見るのではなく、一度、その手前へ戻ってみる。
誰に価値を届けるのか。
どんな価値で選ばれるのか。
なぜ自分だから、それができるのか。
そして、
それを顧客にどう伝えるのか。
ここが明確になれば、ホームページで何を伝えるべきかも明確になります。
ホームページの問題を、ホームページだけで解決しようとしない。
それが、成果につながるホームページをつくるために大切な視点だと私は考えています。
事業の本質を戦略へ。戦略をホームページへ。
Strategic Business Designでは、ホームページ制作から始めません。
まず、
- 顧客
- 提供価値
- 強み
- ビジョン
を整理し、事業の本質を明らかにします。
その本質をもとに、
- 誰に
- どんな価値で
- なぜ選ばれるのか
を戦略として設計します。
そして、その戦略を、
- 顧客に伝わる言葉
- 情報の優先順位
- ページ構成
- 導線
- デザイン
へと落とし込み、ホームページとして実装していきます。
事業の本質を、戦略へ
戦略をホームページへ
それが
Strategic Business Designです。

